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小説用に。
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05.09.16:28

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  • 05/09/16:28

11.27.16:51

小説


 図書館から借りた本に栞が挟まっていた。
 真っ黒な栞。

 手に取れば、ばらばらと黒いものが床に落ちた。

 見れば、それは無数の文字たち。
 床に落ちた文字たちは、やがてさらりと溶けて消えた。

 栞は真っ白になっていた。




「あぁ、たまにあるのです」

 図書館にて、司書はそう言って笑った。

「長い間挟んでいると、言葉が栞に移るのです」

 口から出る言葉と同じで、空気に触れれば溶けて消える。
 何の影響もありませんよ、との事だ。


 私は白い栞をまた本に挟み、図書館へと返却したのだった。
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11.27.10:35

小説


 森の中、少女の生首が地面に植わっていた。
 瞳を閉じ、まどろむように。淡く色づいた唇の端には笑みが刻まれ、とびきりの夢を見ているような少女。

 おかっぱ頭の少女は、森の中、首から下を地面に埋められていた。

 男は少女の生首の横に立つ。
 肩に担いでいたスコップを下ろし、その先端で少女の生首を示す。

「まぁ今の世の中、こっちの方が効率良いって事です」

 そして無遠慮に少女の頭をスコップで小突いたのだ。
 その衝撃に、少女はゆっくりと瞼を開いた。
 まだ寝ぼけた様子で、自分の周囲をゆるりと見回す。
 
 少女は私を見た。
 黒目がちの瞳が、私をじっと見る。
 何か言いたげに唇が動き、しかしそれは言葉にならず。
 少女は代わりに唇に笑みを与えた。
 白い歯を僅かに覗かせて、笑ったのだ。

「――さて、と」

 男が言う。
 スコップを少女の首の間際に刺す。

 待ってくれ、と言う私の声に、ちらりとこちらを見る。
 その瞳は呆れの色を浮かべていた。

「これは、“こういうもの”なんです」
 男はそう言うと、少女の首を切断するように、斜めにスコップを差し込んだのだ。

 少女は私を見ていた。
 笑みは消え、ぱくぱくと口が動く。
 怯えの表情。
 唇が綴る言葉は、たすけて、に思えた。
 一歩踏み出しかけた私を、男は視線で封じる。

「仕事の邪魔です」

 私は足を止め、男の手は動き。
 少女の首は、地面から掘り出された。
 少女は大きく唇を開き、最後に高く高く、悲鳴を上げた。

 その悲鳴は、原種と違ってたいした効果を持たない。
 私と男の鼓膜を震わせ、顔を顰めさせるのがせいいっぱいだ。

 少女の首の下――地面に植わっていた部分は、血管のように根っこが生えていた。
 少女は、植物だった。
 マンドラゴラ。そう呼ばれる植物の亜種である。
 地面の下に、人とそっくりな姿を持つ原種とは違い、この国に育つ亜種は地面の上に生首を生やす。
 だいたいはかわいらしい少女の顔で人を惑わし、養分とする。
 その代わり、命を奪う最期の悲鳴を、この亜種は失っていた。

 そうとは知っていたけれど。

 私を見て微笑む少女は、植物だと言う事を忘れてしまうほど愛らしく。

 それは男の手が少女の髪を掴み、持ち上げる今も変わらなかった。
 男は少女の首の切断面を見やる。

「なかなか上質ですよ。良い値で売れそうだ」

 そう言い、男は少女の首を渡してきた。
 ずっしりと。
 重さまで人の頭部に等しく。
 私は両手で少女の首を持ち、しばし眺める。
 苦しげに寄せられた眉。うっすら開いた瞳。閉じ損ねたような唇からは歯が覗く。

「死に際まで上手でしょう」

 男はからから笑うと私を促した。
 私はようやく頷き、少女を持っていた袋に押し込む。
 この森にはまだマンドラゴラの亜種が育っている。
 それを刈り取る仕事なのだ。

 男の後ろを歩きながら、私はずっとずっと、袋の中の少女を思っていたのだ。

11.27.09:20

小説


 流星群の夜は、星が落ちる音がすると、少女は言うのだ。

 星が流れたとはしゃぐ人々の声を背景に、座る少女は私を見上げる。
「お静かに」
 人差し指を一本、己の唇に当てて微笑む。
「静かにしてないと、聞きそびれちゃいますよ」
「星が落ちる音とやらをか?」
「はい」
 少女は満足そうに頷いた。

 街の明かりは遠く遠く。
 はしゃぐ人々の声も遠く遠く。
 少女は瞳を閉じて、空を仰ぐ。

「ほら、聴こえる」

 私は耳を澄ます。
 はしゃぐ人々の声。
 車の駆動音。
 時たま響く遠くの街の音。
 私の耳は星の落ちる音を捉えない。
 しかし少女は瞳を閉じ、空を仰ぐ。
 その柔らかい笑みに、嘘は無いように思えるのだ。

 
 それから私は、星が流れる夜には空を見上げる。
 瞳を閉じ、私の耳がその音を捉える瞬間を、待ちわびている。

11.25.22:28

無題

まだこのブログが生きていたのを確認したので。

久しぶりにのんびり文章書いて行こうかと思っています。

03.12.22:41

ふに。

 ご無沙汰しております。

 また少しずつ更新して行けたらなぁ、と企み中。
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